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zoom RSS 書評:富士通の知的「現場」改革

  作成日時 : 2005/10/29 18:35   >>

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【Executive Summary】
富士通のナレッジマネジメントを紹介する本
富士通のソリューションビジネスグループでは1997年来、一橋大学大学院国際企業戦略研究科・野中教授の指導の下ナレッジマネジメント(KM)を活用して組織力強化・知的業務改革を図ってきた。

知識創造の活用による業務の効率化や業績の向上が目的だ。単純に表面的な情報(形式知)を共有化するのではなく、各個人に内在する暗黙知を現場のFace-to-Faceでの体験を通して共有化することが成功の鍵。

本書は野中教授と黒川社長の対談から始まり、富士通での活動概要の説明の後、社内事例4件とユーザ企業事例4件が紹介されている。まとめでは、21世紀を「知の世紀」と位置付け個人の創造力を尊重する知識創造社会の発展を目指す。

【コメント】 
富士通の中に「愚直なまでの繰返し」を行ってきた組織があることに驚いた。
富士通と言えば「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」(2004年7月23日)という暴露本のお陰で成果主義の導入失敗で有名であるし、一時はNECよりも改革への取組みが遅いと株式市場から批判されてもいた。ところが、2005年10月20日現在、NEC株価607円に対し富士通760円を付けている。この差の原因は何かと思っていたが、富士通には「愚直なまでの繰返し」を行ってきた組織があることに驚いた。

富士通に対しては様々なイメージがあると思うが、私自身は、富士通は短期的な結果重視でがむしゃらなドライで切り捨て方の組織だとイメージしていた。97年から現在に至るまでKMを続けている部があるなど到底信じられない。なぜなら野中先生の提唱するKMは「愚直なまでの繰り返し」がとても重要だからだ。

KMを根付かせるためには本書にも紹介されている「スパイラル・アップ」の仕組みが必要なのだが、その言葉通り、らせん状に繰返す終わりの無い活動をしなければならない。富士通の社内にそういう活動をする組織があるのに驚いたし、黒川社長自らが野中教授のKMを理解し推進力となっていることにも驚いた。私のイメージでは、野中教授のKMを導入できるのは、トヨタ、キャノン、ホンダ、エーザイ、セブンイレブンなど見るからに愚直な活動をしていそうな企業だと思っていたからかもしれない。ちなみに、野中教授の口癖の一つに「Be humble. 敬虔であれ」があるのだが、この言葉は富士通には馴染まないのではないかとさえ思っていたのだ。どうも私の富士通のイメージはステレオタイプだったのかもしれない。

なんにせよ、富士通の中には「知識創造の型」がある。全社に等しく導入されているのか疑問だが、本書によれば少なくともこの部では成功しているようだし成功していれば他部門への展開も可能であろう。何より社長からのお墨付きもある。KMの実践例として参考になると思う。

おススメ度 ★★★☆☆ 
富士通を知りたい人向けのマニア系ということで★3つ。KMの現場を知りたい方に。

富士通の知的「現場」改革 黒瀬邦夫(著) 野中郁次郎(監修)
富士通の知的「現場」改革

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