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zoom RSS 書評:ネクスト・マーケット

<<   作成日時 : 2005/11/19 11:40   >>

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【Executive Summary】 貧困層=顧客とする戦略とは?
世界人口を購買力によって5段階に分類すると、世界人口の約70%にあたる40億人の人が一日2ドルにも満たない額で暮らしている。この層をBottom of the Pyramid (BOP)と呼び、この本ではBOPを顧客層にする戦略を提案する。
貧困層を顧客にすること=最近流行りのCSR、ではない。これまで相手にしていた富裕層を対象とするビジネスモデルを根本的に見直さなくてはならない。何より、「貧困層が自ら選択し、自尊心をやしなう機会を作り出す」ことが重要だ。富を公平に分配するといった上から下への視点に立つのではなく、貧困層にマッチした製品サービスを提供する斬新なアイディアと顧客満足の視点が求められる。


【コメント】 目からウロコの発想の転換 現代に生きる多くの日本人は、恐らく、「貧困」を実感として感じられないのではないか。戦後の高度成長期の中で、日本社会は先進国の仲間入りを果たし、国民が全員中流階級となり、贅沢を覚えてきた。最近は、中流階級が超富裕層と下流階級に分かれ始めていると言われているが、それでも「貧困」の定義からは程遠い。我々日本人が行う経済活動の対象は、同じく世界の先進国であり、富裕層が中心である。それが当たり前と考えてきた。

 この本は、そういう我々の「常識」に対し、新たな視点をもたらすものだ。貧困だから無視するのではなく、貧困だから施すのでもなく、貧困層が貧困な状況でも購買可能な製品・サービスを提供する方法について真剣に考え、戦略や方策を提案している。この戦略や方策の素晴らしい点は、ただ単に貧困層をターゲットにするのではなく、貧困層に対する革新的な製品・サービスを考えることによって、富裕層向けの製品・サービス、ビジネスモデルの改善にもつながり、その企業の価値を高め、更には、社会貢献にも寄与するというWin-Win-Winの関係になっていることである。

 ただ、この本の提言を本当に実行しようとするならば、企業はさまざまなハードルを乗り越えなければならないと思った。当然、既存の組織や文化、価値観を根本から変えなければならない。ビジネスモデルもオペレーションも、イチから見直さねばならない。イノベーションを提案でき、製品・サービス化できる従業員も必要だし、マネジメントはそういう動きを完全にバックアップしなければならない。

 その覚悟が無いならば、BOP市場に参入しようなどとは夢にも思わない方がいい。

オススメ度 ★★★★★
BOP市場を侮る無かれ。企業の利益と社会貢献のバランスを考えよう。全ての企業人に。

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 C.K.プラハラード(著)

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)

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