アックインテリジェンス通信

アクセスカウンタ

zoom RSS 書評:他人を見下す若者たち

<<   作成日時 : 2006/04/30 23:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

【Executive Summary】 「自分以外はみんなバカ!」の時代
最近は教育でも企業でも相対評価より絶対評価を奨励している。絶対評価では自分が他者と比べてどうなのかは分からない。分からないので本当は自信が持てない。でも、個人主義の世の中では自信がないと言うと負け組になってしまうので、なんでもかんでも自分はオンリーワンで他者より優れているのだ、と無意識に思い込んでしまう。本書によれば、現在そういう状況が出てきているらしい。それが高じて、他者をバカにして蔑んだり、気に食わないと言って「うぜー」とか「しね」とか簡単に言ったりしてしまう。また、自分はやればスゴイことが出来るんだ、今はやってないだけだと思っている。フリーターの危機感の無さや、年長者や経験者に対する根拠のない傲慢さもこれが原因の一つだという。

【コメント】 スマップの「世界に一つだけの花」が流行ったが・・・。
花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた
人それぞれ 好みはあるけれど どれもみんな きれいだね
この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで
バケツの中 誇らしげに しゃんと胸を張っている
それなのに 僕ら人間は どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのに その中で 一番になりたがる?
そうさ 僕らは 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい (中略)
  ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン

個の尊重という観点で素敵な歌だと思っていたが、本書を読んで実は落とし穴があることに気がついた。「自分は特別なオンリーワン」という意識が過剰になると、「自分以外はみんなバカ!」という考えになってしまうというのだ。そもそも、自分がオンリーワンであると認識するには、自分は他と違うという認識を持たねばならない。つまり、自分を他者と比較しなければならない。そして他者と比べて自分の良い所悪い所をあるがままに受け容れて、その自分でよしとする。そういう過程が必要だ。しかし冒頭述べたように、絶対評価の昨今では平等の名の下に比較は行われなくなっている。それが誤った個人主義を増長している。

欧米の個人主義が日本に定着し始めていると言えば聞こえが良さそうだが、思想や哲学の裏打ちのない個人主義はまさに「じこちゅー」しか生まない。自分さえ良ければ良いとさえ思わない、自分が世界の中心にいるのは当たり前という感覚はとても恐い。何しろ他人の存在が「アウト・オブ・眼中」なのだから。そんな感覚の人たちに、愛や慈しみ、いたわりの感覚が育つとは到底思えない。この傾向はタイトルの「若者」だけでなく、どの世代にも起きているように思えて、なおのこと恐い。

オススメ度 ★★★☆☆
興味深い観点であるし読みやすいが、愚痴めいた部分や思い込み?と思われる点もあり、あくまで、ひとつの意見として読むには面白い。
他人を見下す若者たち
他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
他人を見下す若者たち
他人を見下す若者たち ...続きを見る
本の紹介ページ
2006/05/04 01:18

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
書評:他人を見下す若者たち アックインテリジェンス通信/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる