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zoom RSS 書評:出現する未来 ピーター・センゲ他著、野中郁次郎監訳

<<   作成日時 : 2006/07/12 17:28   >>

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【Executive Summary】 学習する個人の集団における覚醒
「学習する組織:Learning Organization」の権威である筆者の3人の共著による最新作。「センシング、プレゼンシング・リアライジング」を基本とする「U理論」をキーコンセプトに、様々なインタビューから真の共感と創造が訪れる瞬間と、その瞬間を捉える方法について、4人の筆者が語り合う様子をそのままに書き綴っている。帯に「世界とつながる自己・自己の内部から始まる世界」とある通り、自分は世界の一部であると認識することから自己と世界の変革は始まる。この考え方は、欧米式の合理主義や二元論、あるいは科学者のように全てを細分化する考え方とは異なり、東洋の儒教や道教、仏教的な考えに酷似している。フラット化し品格を失った国や社会に新たな規範をもたらす考え方を提案している。

【Points to Note】 U理論の基本の3段階
センシング:予想や判断をはさまずに現実をあるがままにしっかりみること
この段階で、自分は全体であり、かつ全体は自分であるというような、全体との一体感を得る。二元論的に主体と客体を分離せず、予断や分析を行わず、あるがままを受容すると、自分が全体と一体になったかのような感覚を得ることがある。

プレゼンシング:後ろにさがって内省し、内なる知が浮かび上がるようにすること
全ての予断や判断、分析を排除し、あるがままを受容すると、自分は何者か、何をしたいのか、など根源的な問いへの答えが内から湧き上がってくるようになる。

リアライジング:流れるように自然にすばやく動く、内なる知が命ずるままに動くころ
自分と世界というように2分せず、世界の中で動く感覚を保ちながら、大いなる目的に突き動かされて動く。自分を意識しながらも、変えようとか推進しようとかせず、自然と共に創る行動に出ている。

自由には2種類ある
ふつう自由という時の自由は、外に対しての自由であって、外的な力によって自分の行為が制限されるかどうかが問題だ。内なる自由は、もっと微妙なものだ。自分の行為が、どの程度、習慣に支配されているかを問題にする。誰にもコントロールされないという意味では自由に見えることも、どう行動するかは環境に反応する際の習慣的な考え方や行動で完全に決まっていることが多い。過去の習慣に縛られず、自らの運命をまっとうするためには必要なことはなんでもするのが内なる自由である。

【コメント】 21世紀、東洋の思想が世界を救うかもしれない
20世紀は明らかに西洋の時代だった。資本主義も共産主義も、西洋文明から生まれた。現代社会を支配するグローバリズムもそうだ。その反動が大きくでたのが9.11かもしれない。筆者らは西洋のシステムが破綻し始めており、このままでは人類滅亡という「レクイエム・シナリオ」へ進むと言う。この危機感から四人の筆者らは2年近くも話し合い、150人以上もの人にインタビューを行い、21世紀を生きるための思考法、人としてのあり方を探求している。道教、仏教、心理学に学びながら、人間はSpiritualな存在であると気づく。

U理論は、カウンセリング心理学で言うカウンセリングプロセスに酷似している。やはり、「真実はただ一つ」なのだろう。その表出の仕方や捉え方の違いによって、事実や現実が相違しているだけだと思えてくる。

オススメ度 ★★★★★ 
経営書だと思って読むと面食らう可能性大だが、経営学の新境地として見れば、とても興味深い。「自分探し」のきっかけを探しているなら、ぜひ。

出現する未来
出現する未来 (講談社BIZ)

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