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zoom RSS 書評:アメリカと比べない日本

<<   作成日時 : 2006/10/12 23:10   >>

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【Executive Summary】 アメリカと比べても解は出ない
戦後の日本は常に「欧米先進社会に比べて」という評価によってアイデンティティを確立してきた。だが「欧米」とひとくくりにすることにも問題があるし、欧米に日本と全く同じシチュエーションや問題があるわけでもない。日本は日本が直面する課題を日本独自の視点と思考と施策によって解決する必要がある。本書では、筆者の見識と知識に基づいて、戦後の日本の歩みを俯瞰し、日本の現状と課題を明らかにした後、日本の取るべき方向について、筆者の提唱する「社会システムデザイン」の観点から提言する。

【Points to Note】 帯より
「社会システムデザイン」を行うには、まず既存の「社会システム」を形作っている日本および日本人のマインドセットが何かを知る必要がある。そこで本書では、このマインドセットをアメリカという超大国との関係を通して振り返ってみる。しこから「アメリカを褒めてみても、けなしてみても、それだけで日本が自立できるわけではない。誰に頼ることなく、自力で先進課題を解決できるようになることが重要なのだ」ということを、新たなマインドセットとしてしっかりと確立する。すなわち、「アメリカと比べない日本」になることが自立した構想力発揮のために必須なのである。(「はじめに」より)

【コメント】「日本とはどういう国か、どうありたいか」
日本人の多くは「日本とはどういう国か、どうありたいか」という問いに答えを持っていないことが多い、と著者は考えているようだ。確かに、身近な他の国の人たちと自分とを比較してみると、そう言えるかもしれない。個人的には、この理由は戦後の教育にあると思う。「愛国心」を教えることをためらってきた結果、日本人としてのアイデンティティを自ら規定できなくなってしまったのだ。だから、「美しい国、日本」になれと言う首相が出てきたのかもしれない。

日本は世界から余り知られていない、と著者は言う。理由は簡単で、日本からの自発的な発信がないからだ。最近になってCool Japanとしてアニメやファッションなどで注目されるようになってきているが、企業や事業などがグローバルな競争を生きるために行っている戦略であり、日本の国としての戦略に後押しされているわけではない。隣国の中国や韓国では国を挙げて自国を売り込むメッセージを発信している。つまり、日本は国としてのマーケティング力が弱いと言えよう。この点ではまだ日本人は日本人的感覚(謙虚さや陰徳の感覚など)を失っていないのかもしれない。

ただ、本書を読んで感じたのは、著者は現状の日本のふがいなさに憤りを感じていて、更に、一般論を振りかざす軽薄な評論家にも辟易している、ということだ。裏返せば、自分だけはそうじゃない、という自負心があるのだと思う。著者がコンサルタント出身と知り妙に納得してしまった。著者の独自の提言は第6章(P156~P179)の社会システムデザインで述べられているのだが、全体に比して割かれているページ数が少なく、社会システムデザインの概略説明で終わってしまっている感がある。著者もあとがきで「社会システムデザインはわかりにくいというのがここまで読んでくださった読者の感想ではないだろうか」とのべているくらいだ。著者は日本が日本独自の解を見出すことが大切だと述べているのだから、批評と批判で終わらせないでほしいと思う。

オススメ度 ★★★☆☆
世間一般の認識にほぼ沿った内容で、ふむふむと読める一方、その内容を著者はちゃんと検証したのか?との疑問が残る。しかも、内容自体に目新しさは余りないので、星2つマイナスです。

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