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zoom RSS 書評:ハーバードビジネスレビュー 2006年12月号 組織の「現代病」 見えざる経営課題

<<   作成日時 : 2006/12/10 00:27   >>

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【Executive Summary】 組織は人なり
企業に勤める人々の健康を守るのも企業の責務である。このような考え方が近年広がっている。本稿では、従業員の病気がいかに企業にとってマイナスであるか、企業は従業員の健康を維持・促進する義務があるか、について幾つかの視点から説いている。
また「アバターマーケティング」についての論文も掲載。アバター自身が最近になって登場した存在であるために、問題提起で終わってしまっている感はあるが、新たな視点を提供している。

【Points to Note】 特集記事の要点
受動攻撃性:変化を拒む組織の病 
「受動攻撃性」とは、「一見すると職場の雰囲気はよく表立った対立もなくスムーズに意見の一致もできる。ところが、実行段階になると抵抗勢力が出てくる」という状態。筆者らの調査によれば25%以上の企業がこのタイプだという。歴史が長く、成功体験の少ない組織ほど、実行段階になって懐疑的になるかららしい。本稿ではそうした組織を変化を受け入れさせるように変革させる方法について論ずる。

プレゼンティーイズムの罠
「プレゼンティーイズム」とは、出勤しているものの体調不良のせいで生産性が落ちている状態を言う。この結果全米でおよそ1500億ドルの損失が出ている。花粉症や偏頭痛、二日酔い、軽度のうつ病など、種類はさまざまだ。こうした病気を治療・予防するためのコストを企業が負担すべきかどうか。

睡眠不足は企業リスクである
睡眠時間を削っても仕事をする。そういうモーレツ社員は今も存在する。むしろ成果主義の傾向で増えているのかもしれない。だが、睡眠不足は認知能力の低下を招くだけでなく、高血圧や肥満までさまざまな身体疾患とも関係がある。睡眠不足はプレゼンティーイズムへとつながっていく。企業主導で、睡眠時間を削っても働くというような企業風土を廃し、睡眠時間を確保する指針を提示・実行させていく必要がある。

ブレークアウト原則の科学
「ブレークアウト」とは、程よいストレスの後のリラクセーションがもたらす発想や創造性のこと。悪いストレスはうつなどを引き起こす原因となるが、良いストレスとリラクセーションの組み合わせは効果的な生産性を生み出す。仕組みを理解して、個人的に組織的にブレークアウトを活用すると良い。

なぜ中年社員を活性化できないのか
中年期は欲求不満や混乱、疎外感を感じやすい時期である、が同時に自分を発見し、新しい方向性を見出し新たな一歩を踏み出す時期にもなりうる。自分の仕事上のやりがいや責任と、家庭や余暇のバランスをとる方法を模索している。だが、雇用は不安定、老後は長く年金では不安、これまでの実績も評価されずかといって新たなスキルアップをする時間も余裕もない、というジレンマに陥っている。企業はそうした中年期特有の問題を理解し、解決策を与えるような施策を提供することが必要だ。

フェアプロセス:負の感情を緩和する方法
「フェアプロセス」とは公正さのことだ。隠したり騙したりせず明らかにし、公正に取り扱うことである。企業は自分に都合の悪いことは隠したり騙したりしがちだが、実は、そうすることで余計なコストがかかったりリスクを背負ったりしている。フェアプロセスは企業文化になりうる。日ごろの実践が重要だ。

模範的チームはなぜ失敗したか
「ナット・アイランド症候群」自立的で有能な組織がなぜか思わぬミスを見過ごし続けたという事例である。組織のプライドが高く、統括するマネージャが組織に無関心で、組織が自己完結的になっていると、その組織が暴走を始めてしまっても誰も止められない。こういう悲劇を生まないためには、組織のうわべを見るだけでなく、中にいる人々の感性・感覚も理解しておく必要がある。

メンタルヘルスが組織の生産性をレバレッジする
9.11テロの後、経営者には安心して働ける職場を提供する責任がある。従業員が抱いている不安感を解消する手立ても必要だ。企業はメンタルヘルスの問題をきちんと理解し、有効な手段をとるべきである。

アバターマーケティング 消費者の隠された顔は仮想世界で表出する
「アバター」とはインターネットのコミュニティの世界での自身の存在を視覚的に表現するもの。「別人格がほしい、別人格で生活してみたい」あるいは「自分らしさを演出したい」という人間の欲求に人に知られることなく応えることができる。笑い話にあるように「インターネットの世界では誰も君が犬だなんで気が付かないよ」というわけだ。このアバターの世界はバーチャルとは言えど商業主義が入り込んでいる。コーラの自販機もあればマックもある。だが、バーチャルの世界に現実社会の商業主義が入り込んでくることへの抵抗力も強い。アバターの世界は未開拓であるが、それゆえに課題もリスクも大きいと言える。

【コメント】 古くて新しい問題
企業に働くひとの健康管理は企業の責務であることは、従来から理解はされており、健康診断などを定期的に行う企業も多い。だが、休むほどではない病気や、睡眠不足、心の病などの問題は、精神論で片付けられて軽視されてきたきらいがある。

日本でも成果主義や年俸制になったおかげでもっと就業形態や時間に自由が出てきても良いのではないかと思うが、一方で、その自由さのせいで、サービス残業が増えるという指摘もされている。縛りがないと企業の方が従業員よりも力があるので、企業の論理になってしまう恐れがあると言うわけだ。

企業の側が、企業が存続していけるのは従業員がいるからだと認識するようになり、従業員の生活をトータルにサポートするようになれば、この問題も解決していくのではないかと思う。企業は誰のものか、ではなはなく、企業は何によって存在しているのか、と問うべきなのかもしれない。

おススメ度:★★★★☆
問題提起としてはとても重要なで、つい二の次、ないがしろにしてしまいがちな課題を取り上げている。ただ、これという決定打的な解決策が提示されているわけでもない。要は受け取る側が何を考え実行するかだ。
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 12月号 [雑誌]
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