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zoom RSS 書評:公共哲学とは何か

<<   作成日時 : 2007/01/31 10:54   >>

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【Executive Summary】 公共哲学の入門書
「官から民へ」という政府の意図、NPOやボランティアなどの社会貢献、企業不祥事が社会に与える影響など、「公共」を考える機会は増えてきている。個人を活かしつつ公共性を開花させる新しい思考が必要となっている。本書では、公共哲学の意義、世界思想史における意味、日本における発展、公共性の定義と役割などについて、平易な表現で解説されている。企業の社会貢献や、地域コミュニティや地方行政において、公共のあるべき姿を考える基礎を与えてくれる。

【Points to Note】 
公共性は「公共世界」というコンセプトなしには成立しない。公共世界を構成する基本原理や価値理念は、「コミュニケーション」、「正義(公正)」、「基本的人権、徳、責任」、「福祉」、「平和と和解」、「グローバルな公共善」である。P.15より

21世紀にふさわしい公共哲学は「グローカル公共哲学」。グローバル(全地球的)とローカル(地域の、現場の)双方の意味合いを兼ね備えた「グローカル」な公共哲学こそ、グローバルとローカリズムの2元論を超えた21世紀の公共哲学たりうる。応答的で多次元的な「自己―他者―公共世界」論や、「ある」と「べき」と「できる」を統合する「理想主義的現実主義」または「現実主義的理想主義」を提唱する。P.16より

「滅私奉公」:組織のために個人を犠牲にするメンタリティやライフスタイル。「滅公奉私」:私生活中心主義、自己チューとかミーイズム。身内以外の他者感覚が喪失しており、他者を大切にするという発想のみならず、他者によって自分が生かされているという発想も全く見られない。「公共性」は個人の尊厳と他者感覚の両方のバランスになりたつ。Pp.29-30より 公共哲学は、公、公共、私の3つを相関的に考える。「活私開公」個人を他者関係のなかで活かしながら、民(人々)の公共性を開いていく。Pp.36-37

戦後日本の思想崩壊の背景のひとつに、「人権は「エゴ」に根ざすのではなく、「社会的存在者としての個人の尊厳」に根ざすことが、学校の現場ではほとんど教えられなかった」、ことがある。80年代は「思想的に失われた10年」、90年代以降、ますます混迷を深めグローバリゼーションというアメリカ追従の下、日本の政治も経済も独自の思想を持つことなく現在に至っている。Pp.124-126より

公共性は「自分とは異なる他社との(共感的)コミュニケーション」があって始めてなりたつ概念。「共通性と異質性」を兼ね備えた人間同士が公共世界をつくる。Pp.200-201

学びとは、対象世界・他者・自己との対話的実践であり、また新しい世界との出会いであり、他者との対話による自己発展を意味する。P.202

それぞれの地域は均質ではなく、「文化的・歴史的多様性」を帯びている。文化的多様性とは、言語、風土、伝統、慣習、制度などの多様性であり、歴史的多様性とは、歴史はただひとつの世界史からではなく多種多様な地域の歴史から成り立っているということ。公共的活動は各自がおかれた「多様な現場に根を張った」ソリッド(確固)なものとして開花・発展していくことが大切。

【コメント】 理屈は分かった、さあ、実践してみよう
善く生きるにはどうすればよいか、人は常に考え続けて、いろいろな理屈を考えだしてきた。だが、大切なのは実践だ。自分と他者を信じ、尊重と共感を内に秘めて、街に出よう。

オススメ度 ★★★★☆ 
善人ぶる必要はない。個人の尊厳と自立を尊重し、他者と共感し、実践できるなら。

公共哲学とは何か
公共哲学とは何か (ちくま新書)

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