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zoom RSS 書評:経営の未来:マネジメントをイノベーションせよ

<<   作成日時 : 2008/05/20 10:23   >>

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【Executive Summary】 コア・コンピタンス経営のゲイリー・ハメル最新作
経営とは、英語で「マネジメント」と言うように管理することである。企業の目的は事業の継続と顧客価値や利益の創出であり、そのために、効率性や均一性、スピードが求められ、経営者は前例と比べて「より○○」を目指してきた。これは、産業革命が起き資本主義社会となって以来、変わっていない。だが、21世紀に入り、このような従来型の経営、あるいは資本主義そのものに破綻が見え始めた。新たな考え方と新たな実践、すなわち経営のイノベーションが求められている。著者は理論的な枠組みを歴史の流れから構築した上で、豊富な事例を用いて、どのように経営イノベーションを起こしていけばよいか、指針を示している。

【Points to Note】 イノベーションの段階、公式と構成要素
イノベーションには様々の種類があり階層をなしている(本書37ページ)。上から順に、
 経営管理イノベーション
 戦略イノベーション
 製品・サービスイノベーション
 業務イノベーション
このリストのうち、最も頻繁に行われているのが、下の2つである。業務改革や新製品開発がその例である。が、同時にこの2つだけで、継続的な競争優位を確保することは難しい。優れたイノベーションほど模倣され、差異が消滅してしまうからだ。

経営管理イノベーションの公式
 大胆な目標に取り組む
 自分野中にある正統理論を解体する
 強力な新しい原理を見つける
 正の逸脱例から学ぶ
この4つから想像力をかきたてイノベーションの芽を育てる場を育てるのである。

第11章に経営管理イノベーションを助ける構成要素が紹介されている。
・先頭を行く勇気:
常に自社の優位性の源泉となる課題に挑戦する勇気が必要だ。

・経営管理イノベーションを避けて通れない話題にする:
会社の未来に関する真剣な議論には必ず登場する話題にすることが必要だ。

・症状ではなく原因に注目しよう:
病気の治療には原因特定が欠かせないように、組織の病気の場合も根本原因の分析が重要だ。

・責任説明
商品・サービス部門の幹部が新商品の開発に責任を持つのと同じように、本社部門の幹部は経営管理イノベーションの開発に責任を持つ必要がある。

・切り刻む許可を与える
社内の業務や慣行について、どんな小さな部分でも良いから、改善策を提案する許可を従業員全てに与える必要がある。そうすることで従業員の参加意識を高め、組織全体でイノベーションを推進することができる。

【コメント】 マネジメント2.0
ハメルは1990年代に『コアコンピタンス経営』で一世を風靡したが、「コアコンピタンス」は固定的な観念であって、たまたま企業の成功要因として観察される状態であり、その出所も発展も理論的な説明が難しかった。本書では、21世紀に入りウェブ2.0に触発されてハメルの進展した考え方が紹介されている。

ハメルは、ウェブ2.0が現実となったように、マネジメントも2.0時代がやってくると言う。そこでは、組織の構造とその組織を構成する人のクリエイティビティのせめぎあいが激しくなる。ウェブ2.0は「いつでもだれでもどこででも」、というユビキタスな場と自発的に参加する個人の緩やかなネットワークによって構成されている。筆者のハメルは、マネジメント2.0も同様の特徴を持つようになると予言する。つまり、階層や職権によって権力を行使し、経営を管理すると言う時代は終わり、想像力と創造力によって能力を発揮し、経営を創出するという時代になるということだ。

関係性の豊かな場を創り、適切な問いを投げかけ、ビジョンを示して共に未来を創る。企業も社会も、新たな進化が求められている。

おススメ度:★★★★★
理論も事例もしっかりした経営書。さすが、ウォール・ストリート・ジャーナル誌(5月5日付け)で最も影響力のある経営思想家の第一位に選ばれただけある。

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