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zoom RSS 書評:Redefining Global Strategy (フラット化しない世界)

<<   作成日時 : 2008/06/12 11:49   >>

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【Executive Summary】 フラット化しない世界
トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』が翻訳され出版されたのは2006年、2008年には増補版も翻訳され出版された。「フラットな世界」というフレーズはビジネス界や経済界で流行り言葉になり、誰もが、いわゆるボーダーレスの世界の到来を確信した。本書は、そうした流れに対抗するものである。筆者はハーバード大学のPankaj Ghemawat教授。世界は確かにグローバル化しているが、筆者によれば、まだ「セミ・グローバル」であって、例えば「Think Global, Act Local」と言われるように、世界的に展開する企業であっても地域にフィットする戦略をとらなければ持続的な優位性を築くことはできない、と言う。

【Points to Note】 グローカルな世界で持続的な競争優位を築く方法
そもそも、均一化したグローバルな世界は存在しない。国や地域は4つの点で距離が離れている。
  @文化的距離 
  A行政・政治的距離
  B地勢的距離
  C経済的距離
この距離感が国や地域間の差異の源泉であり、この差異を理解することが、競争優位を築く鍵である。

「世界企業になる」というスローガンを唱える企業は多いが、では「なぜグローバル化するのか?」という本質的な問いにちゃんと答えられる企業はほとんどない。「グローバル化する世界で生き残れない」という答えはトートロジー的であるし、「競合他社がグローバル化している」、「自国の市場に外資が参入してグローバル化している」というのはいわゆる「Me-to戦略」で他社の追随に過ぎず、あるいは「自国の市場が成熟した、規模が小さい」、「海外の市場が拡大している」というのは「規模の経済」を追求する一昔前の戦略である。本質的な理由は、「グローバル化することで、グローバルな規模で価値創造ができる」からであるべき。つまり、グローバル化することで、商品・サービスが向上して顧客満足が充足され、一方でコストが下がり、自社には知識が蓄積され、結果として収益があがる、という流れができることが必要である。

グローバルな価値創造の戦略においては次の3つのポイントのバランスがかぎとなる。
  @適応(Adaptation):国や地域の差異に適応する
  A集合(Aggregation):国や地域の類似性に着目してグループ化する
  B鞘取り(Arbitrage):国や地域の差異を取捨選択して逆手に取る

【コメント】 
筆者は、「World is NOT flat」と言うタイトルで記事を発表したりして、フリードマンの提唱した「フラット化する世界」に反論している。グローバル化とは均一化・統一化することではなく、ましてや、まだその状態になっているわけではないと主張し、むしろ、その差異に対して行動を起こすことこそが、持続的な競争優位の源泉になると言っている(と思う・・・、私の理解では)。つまり、ある地域で成功したからと言って、それをスタンダード化し他国や他の地域にそのまま移植しても成功する保障はないということだ。むしろ失敗する確率が高いのである。例えば日本に進出したカルフールやウォールマートの失敗はそれに当たるだろう。セブンイレブンは、アメリカ式コンビニ運営方式は使えないとして、日本式の運営方法を開発した。マックもスタバも地域に特化した商品・サービスをオリジナルのラインアップに追加している。デルも日本では店頭販売をしている。

だが、考えてみれば、こうしたことは企業努力としては当たり前のような気もする。なぜなら、その時・その場の文脈(コンテクスト)の中で、顧客のニーズに最大限応えることが、顧客にとっての価値創造であり、最も満足度を高める方法だからだ。顧客の注文にすべて応えるようなオーダーメードの商品やサービスは不可能だとしても、最大限応えられるように努力する姿勢に顧客は共感し、価値を認めてくれるのではないか。

おススメ度:★★★★☆
英語なので☆ひとつマイナス。日本語訳は・・・・出る予定はあるのか?

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